【うちのポチシリーズ】前編

取材・構成・文 神保美佳

今回のコラムは、SANKYOから発売された前身機種にまつわるコラムと、ジェイビーから発売されたリメイク機種にまつわる開発秘話やエピソードをお届けします。執筆はモチーフとなった前身機種にも詳しいパチンコライター、神保美佳さんです。


【うちのポチ】
1990年発売


【うちのポチ】
2005年発売

<女性スタッフのアイデアも生かして誕生>

今から、約24年前。当時、パチンコではまだ羽根モノが圧倒的な人気と設置台数を占めていて、各メーカーが競ってユニークな役モノの機種を市場に送り出していました。 もちろん、SANKYOでも80年代末期から『ロボスキー』『マジックカーペット』『グレートキャノン』『ブロードウェイ』といった面白い仕掛けの羽根モノを次々発表していましたが、そんな中、女性スタッフのアイデアを盛り込んで生まれたとして話題を呼んだのが、今回紹介する『うちのポチ』でした。
その役モノには、当時異色とも言える可愛らしい犬が採用され、玉が入賞すると「ワン!」と吠えたり足や耳を動かしたりする、愛嬌ある仕草が打ち手の心を捕らえました。またそうした一連の動きは可愛いだけでなく、きちんとV入賞へのサポートにもなっていたので、女性はもちろん打ち込んでいる従来のファンも、十分満足できる内容となっていたのです。特に、大きなカギを握る耳の上下はタイミングが絶妙だったため、「惜しい!」という悔しさも打ち手の心をかき立てました。
羽根モノ『うちのポチ』には賞球オール13の『I』と5&10の『II』があり、どちらも最大継続8ラウンドとなっていましたので、前者の方が出玉多めとなっています。『II』のような出玉少なめのタイプは当時まだ少数派でしたが、チャッカーに多く入賞させたり大当り回数を増やすことができたため、より遊べる羽根モノの先駆的な存在としても、大きな注目を集めました。

<遊べるパチンコへの回帰で生まれた続編>

ポチ以降も、1990年は羽根モノの『道路工事』や『タコヤキ』といったコミカルな機種が大ヒットし、翌年以降は新基準によって羽根モノの継続ラウンド数が15回までになるなど、新しい時代へ移って行きます。しかし、2000年代に入ると羽根モノをはじめとする遊べるジャンルの市場が、だんだん縮小していってしまいました。そこで、パチンコ本来の面白さへの回帰を目指して考案されたのが、2005年の普通機『CRAうちのポチSP』と現金機の『うちのポチDX』でした。
普通機は「平台」や「チューリップ台」などとも総称されるように、役モノと玉の動きの絡みを楽しみつつ、玉をジックリ増やすタイプ。この機種では、中央にいるポチの頭に玉が入るとクルッと180度回転し、足が開いて次の入賞がしやすくなります。同時に、中央下の2回開きチューリップにも連動しているため、それらを狙うことで玉を増やせるのです。

さらに、普通機のポチから台枠に「プッシュボタン」が出現し、BGMを「うちのポチモード」「キラキラモード」「メリーモード」から選ぶことができるようになっていたり、プレミアムサウンドが出現することがあるなど、遊技以外の部分でのお楽しみが増えていたのも、大きな特徴でした。

<今、再びポチがファンの元へ!>

このようにポチシリーズは可愛らしさに加え、パチンコ本来の玉の動きや役モノによるドキドキ感によって、多くのファンを魅了して来ました。そして前作から9年経った今年、ファミリーになった「ポチーズ」として、再び私たちの元へ帰って来たのです!
次回はホールで好評稼働中の『うちのポチーズ』について、その誕生秘話や開発エピソードをタップリとお届けする予定ですので、お楽しみに!

神保 美佳プロフィール

ライター・コラムニスト。法政大学卒業後、パチンコ好きが高じて1990年OLから遊技業界誌記者に転身。93年に独立し、「パチンコ必勝ガイド」などの専門誌をはじめ業界誌、週刊誌、スポーツ紙、WEB媒体などでコラムや取材記事を執筆。主な著書「パチンコ必勝大図鑑(白夜書房)」「パチンコ年代記(バジリコ)」など。